既存技術とCoMBI法の比較

既存技術とCoMBI法の比較

特徴や価格について比較します。

CoMBI法の特徴

☆ 新規性:「切片で顕微鏡観察」、「ブロック面の連続画像で3D」ふたつを合体させたこと。それぞれは既存の技術ですが、別個のものでした。3D形態解析も分子の2D分布解析も1つの標本で行え、相関させられます。
☆ 低価格:3Dイメージング装置として安価です(下記)。
☆ 普及性:設計図などはすべて公開。

3Dイメージングを始めたいとき、下記の既存技術と並び、選択肢のひとつとなると期待しています。

既存の3Dイメージング装置

  1. ブロックフェイスイメージング(ブロック面の連続画像を3Dデータとして扱う方法)
    ☆ 形態観察に向いている。大きく不透明な標本でも3D解析できる。ヒトでも行われた(Visible Human Project® US National Library of Medicine 1986)。1ミリ以下の小さい標本なら、電子顕微鏡を使って、3D再構築できる(FIB-SEMなど)。
    △  機器が普及していない。自作機器の報告は数件(Kimura, J. 2005, Weninger, W. J. 2006, Wilson, D. 2008 )。目的分子の分布を見るのが苦手。
  2. 連続切片画像の再構築(切片をすべて回収&すべて撮影する方法 Wang Y, 2015
    ☆ 電子顕微鏡切片(ATUM+SEM)でできる。光学顕微鏡切片(パラフィン切片)でもでき、通常の光学顕微鏡技術と設備があればよい。
    △ 多大な労力、長時間労働、切片のゆがみ。
  3. 小動物用CT (µCT, マイクロ・コンピュータ・トモグラフィ)
    ☆ 生きた標本でも撮影できる。高精細。硬組織の検出が得意。
    △ 高額な機器。造影の成否。分子の分布解析は苦手。分子プローブの開発に期待。
  4. 小動物用MRI
    ☆ 生きた標本でも撮影できる。軟組織の検出が得意。
    △ 高額な機器。撮影に時間がかかる。分子の分布解析は苦手。分子プローブの開発に期待。
  5. 共焦点レーザー顕微鏡
    ☆ 目的分子の分布解析によい。80年代から普及。研究目的に応じて、バリエーションが豊富(二光子型、ニポウディスク型など)。透明化試薬の開発もすすみ、広く利用されている。
    △ 標本は透明化するので、形態解析には向かない。透明化による膨潤。
  6. 光シート顕微鏡
    ☆ 目的分子の分布解析によい。画像取得が速い。市販品あり。オープンソースで自作すれば安い(Girstmair, J 2016)。
    △ 標本は透明化するので、形態解析には向かない。透明化による膨潤。標本の大きさは、最大でラットの脳程度(Stefaniuk, M 2016)。最近のもので、今後の普及に期待。

価格比較

CoMBI装置の合計価格 :1175万円(US$115250)

内訳:電動クリオスタット(620万円)、一眼レフカメラ(30万円)、マクロレンズ(7万円)、三脚(7万円)、パソコン(30万円)、自作装置(1万2千円)、光学顕微鏡・蛍光顕微鏡(480万円)ほか。

上記の価格は、ほんとうにゼロから構築した場合です。もし、クリオスタット(共通機器でよい)、光学顕微鏡(普段切片を観察しているもの)、パソコン(研究者がもっている)がある場合、45万円程度になります。この場合の内訳は、「自作のススメ」にくわしく記しました。

参考に、光シート顕微鏡(US$57,000-260,000)、µCT (US$200,000–1 million)、MRI ($1 million per Tesla of magnetic field)、電子顕微鏡SEM for ATUM (US$200,000–600,000)。つらつらとドル表示にしましたが、日本円で約600万円から数億円にあたります。